働く社員の7割が知的障がい者のチョーク工場『日本理化学工業株式会社』が「日本でいちばん大切にしたい会社」と呼ばれるまでの軌跡、家族の宿命と経営者の苦悩、同僚の戸惑いと喜びを描いたノンフィクションです。2023年8月23日24時間テレビのスペシャルドラマでも放送され、多くの人々に感動を与えました。
私が始めてこの本を手にしたのは、障害児通所支援施設「放課後等デイサービス」に勤務し始めた頃でした。当時はまだ保育士資格取得中で児童指導員として働いていました。日々様々な障害を持つ子ども達の療育を行いその様子を保護者にお伝えする中で、我が子の成長や出来ることが増えた喜びを感じながらも将来に不安を感じる声を少なからず聴きました。
療育の現場で支援者として子どもの成長を間近で感じながら「この子らを世の光に」という知的障がいの子ども達の福祉と教育に一生をささげた糸賀一雄の言葉を度々思い出しました。
保育士資格取得の勉強をする中でこの言葉を知りましたが「この子らに世の光を」ではなく「この子らを世の光に」です。
私が新卒で入社した会社でも特別支援学校を卒業した4名の社員がフルタイムで働き、全員の最低賃金が保障されていました。15分のテレビニュースを丸暗記する方や、JRの時刻表を覚えている方、誰よりも真剣に黙々と仕事をする方、人とのコミュニケーションが大好きな方など個性は色々でしたが、他の社員とごく当たり前に一緒に働いていました。人生で、また新卒でこのような職場にめぐり合えたことは、私の中の宝物だったと今になって強く感じています。
話は戻りますが、障害児通所施設で子ども達や保護者の方々と接し
「障がいの有無に関わらず子ども達が将来、生きがいを持って働ける環境を作るのが大人の責任」との思いから、色々な書籍を読みました、その中の1つが「虹色のチョーク」です。
まずは会社が収益を得ていることが大前提です。かつて私が勤務していた会社も安定した収益事業を行い、社員には役割と仕事がありました。「世の光に」なので「ちゃんと貢献する」のが大切です。貢献するためにどう育てるか?その環境をどう作るか?そんなことが私自身の社会貢献への目標の一つにもなっています。
「彼らこそ、この会社に必要なんです」
障害の有無に関係なく、人種、国境、性別に関係なく「あなたこそ、この社会に必要なんです」とお互いに言い合える社会が実現できるといいですね。まずは出来ることからコツコツと(^O^)